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障害のある子供の進路相談|進学・就職の選択肢と相談できる支援機関を解説


2026年07月20日

お子さんに障害や発達障害があると、「この子に合った進路はどこなのか」「将来ちゃんと自立して暮らしていけるのか」と、進路のことで思い悩む保護者の方は少なくありません。中学・高校・大学と進学の節目が近づくたびに、不安が大きくなるという声もよく聞かれます。

けれども、障害のあるお子さんの進路の選択肢は、思っているよりもずっと幅広く用意されています。進学にもさまざまな形があり、就職の道も一般雇用だけではありません。そして何より、保護者と本人だけで抱え込まなくてよいように、相談できる専門機関がいくつも整えられています。

この記事では、中学卒業後・高校卒業後・就職時という発達段階ごとに進路の選択肢を整理したうえで、学校や発達障害者支援センターなどの相談先、さいたま市で利用できる窓口、そして「進路を決める前に生活力から整える」という選択肢までをわかりやすくご紹介します。特定の進路を「正解」と決めつけず、お子さんに合った道を一緒に探すためのヒントとしてお役立てください。

役割

障害のある子供の進路を考える前にしておきたいこと

子どもの特性・得意/苦手の理解(自己理解・親の理解)

進路を考えるとき、最初の土台になるのが「お子さんの特性をできるだけ正確に理解すること」です。同じ診断名でも、得意なこと・苦手なこと・困りごとは一人ひとり大きく異なります。集中力を発揮できる場面、苦手な刺激や状況、人との関わり方の傾向などを保護者が把握しておくと、進路先に求める条件や、あらかじめ整理しておきたい課題が具体的に見えてきます。

同時に大切なのが、本人自身が「自分はどんなことが得意で、どんな配慮があると力を発揮しやすいか」を少しずつ理解していくこと(自己理解)です。進路は最終的に本人が歩んでいく道ですから、親が先回りして決めてしまうのではなく、本人の興味や希望に耳を傾けながら一緒に考える姿勢が、その後の安定にもつながります。

早めに相談先を知っておく大切さ

進路の情報収集は、卒業が目前に迫ってから始めると選択肢を十分に比較できないことがあります。学校選びにも就職準備にも準備期間が必要なため、できるだけ早い段階から「どこに相談できるのか」を知っておくと安心です。

相談先を早めに押さえておくと、進路に関する最新の情報や、お子さんの状況に合った支援制度を教えてもらえます。ひとりで悩み続けるよりも、専門家や学校と連携しながら準備を進めるほうが、結果的に納得のいく選択につながりやすくなります。具体的な相談先は後の章で整理しますので、まずは「相談できる場所はたくさんある」ことを知っておきましょう。

【中学卒業後】進路の選択肢

高校・特別支援学校・通信制/定時制への進学

中学卒業後の進路として、まず思い浮かぶのが高校進学です。高校には全日制・定時制・通信制があり、自分のペースで学びやすい通信制や、少人数で柔軟に学べる定時制を選ぶお子さんもいます。通信制ではオンラインを活用した学習に対応する学校も増えています。加えて、障害のあるお子さんの学びの場として特別支援学校の高等部という選択肢もあります。

日本の特別支援教育では、通常の学級、通常の学級に在籍しながら一部の授業で障害に応じた特別の指導を受ける「通級による指導」、特別支援学級、特別支援学校という、連続性のある多様な学びの場が整備されています。高等学校でも、障害に応じた支援や通級による指導の仕組みが整えられてきています。

どの進路が合うかは、お子さんの特性や希望によって変わります。入学の条件や受けられる支援の内容は学校・自治体によって異なるため、気になる学校には早めに見学・相談に行き、実際の環境や雰囲気を確かめておくことをおすすめします。

進学以外の選択肢

中学卒業後すぐに就労を目指すケースは多くありませんが、進学だけがゴールではありません。心身の状態を整えることを優先したり、生活リズムやコミュニケーションの土台づくりに時間をかけたりする選択も可能です。

将来的に就労や進学を見据えつつ、まずは生活面の力を育てたいという場合には、後述する障害福祉サービスを活用する道もあります。焦って一つの進路に絞り込むのではなく、本人の状態に合わせて段階を踏むという考え方も大切です。

【高校卒業後】進路の選択肢

大学・専門学校への進学

高校卒業後は、大学や専門学校への進学という道があります。近年は、障害のある学生に対して合理的配慮を行う大学・専門学校が増えており、学生相談室や障害学生支援の窓口を設けている学校も多くあります。

進学先を選ぶ際は、学びたい分野はもちろん、どのような配慮やサポートが受けられるかも確認しておくと安心です。オープンキャンパスやオンラインの個別相談を利用して、支援体制や学習環境を具体的に聞いておきましょう。本人の興味・関心を尊重しながら選ぶことが、学ぶ意欲や学校生活の充実につながります。

一般就労/障害者雇用/福祉サービスの利用

進学ではなく就職を目指す場合、選択肢は大きく「一般雇用」「障害者雇用」「福祉的な就労・訓練の利用」に分かれます。一般雇用は障害の有無にかかわらず働く形、障害者雇用は障害に配慮した枠で働く形です。どちらにもメリットがあり、本人が希望する仕事や体調に合わせて検討します。

すぐに就職するのが難しいと感じる場合は、就労移行支援や就労継続支援などの障害福祉サービスを利用して、働く力を段階的に育てる方法もあります。その一つが自立訓練(生活訓練)です。自立訓練(生活訓練)は、地域生活に必要な力を身につけるための訓練等給付のサービスで、障害支援区分の認定は原則として不要、原則2年(長期入院していた方などは3年)利用できます。これらの選択肢は次の章でさらに詳しく見ていきます。

【大学卒業後・就職時】進路の選択肢

一般雇用と障害者雇用の選択

就職の段階では、一般雇用と障害者雇用のどちらを選ぶかが大きなポイントになります。一般雇用は求人の幅が広い一方、障害への配慮を受けにくい場合があります。障害者雇用は、障害特性に応じた配慮(合理的配慮)を受けやすく、働きやすい環境のもとで長く働き続けやすいことが特徴です。

障害者雇用の背景には、企業に一定割合以上の障害者雇用を求める「法定雇用率」の制度があります。民間企業の法定雇用率は2.5%で、2026年7月からは2.7%に引き上げられます。こうした後押しもあり、障害者雇用の場は広がっています。一般雇用と障害者雇用の違いや選び方は、障害者雇用とはで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

就労移行支援・就労継続支援・自立訓練などの福祉的な選択肢

「いきなり就職するのは不安」という場合に活用できるのが、福祉的な訓練・就労のサービスです。就労移行支援は、一般企業などへの就職を目指して、必要な知識やスキル、職場実習などの支援を受けられるサービスです。就労継続支援には、雇用契約を結んで働くA型と、雇用契約を結ばずに自分のペースで作業に取り組むB型があり、それぞれ対象や働き方が異なります(就労継続支援A型・B型の違い)。

そして、就職そのものの前に「生活面の土台」を整えたい場合に向いているのが、自立訓練(生活訓練)です。生活リズムや対人スキル、自己理解といった、働き続けるために欠かせない力を育てることを目的としています。どのサービスが合うかは本人の状態によって異なるため、専門機関に相談しながら選ぶとよいでしょう。

障害のある子供の進路を相談できる支援機関

在籍校(担任・特別支援コーディネーター)

最も身近な相談先は、お子さんが在籍している学校です。担任の先生に加えて、多くの学校には「特別支援教育コーディネーター」という、校内や関係機関との連携の窓口役を担う教員が置かれています。進路指導の担当教員とあわせて、まずは学校に相談してみるのがよいでしょう。

学校は本人の学習面・生活面の様子を日頃から把握しているため、進路に向けた具体的なアドバイスをもらいやすい相談先です。必要に応じて、外部の専門機関へつないでもらえることもあります。

発達障害者支援センター・障害者就業生活支援センター

専門的な相談先としては、まず発達障害者支援センターがあります。発達障害のあるご本人やご家族への支援を総合的に行う地域の拠点で、相談支援・発達支援・就労支援などを担い、保健・医療・福祉・教育・労働の関係機関と連携しています。

就労に近い段階では、障害者就業・生活支援センター(通称「なかぽつ」)が頼りになります。就業面と生活面の両方を一体的に支援する機関で、就職に向けた準備から職場定着までを地域で支えます。また、地域障害者職業センターは、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が運営し、職業相談・職業評価から、ジョブコーチによる職場適応支援まで、専門的な職業リハビリテーションを提供しています。仕事に関する課題の整理から職場環境への適応まで、状況に応じて利用できます。

相談支援事業所・自治体の障害福祉窓口

障害福祉サービスの利用を考える際に相談できるのが、相談支援事業所です。相談支援専門員が、本人の状況に合わせてサービス等利用計画を作成し、必要なサービスへの調整を行います。日常生活全般の相談にも対応してくれます。

サービスの申請や受給者証の手続きは、お住まいの市区町村の障害福祉窓口(区役所などの担当課)が窓口になります。手帳の取得を検討している場合は、障害者手帳の種類もあわせて確認しておくと、利用できる制度の見通しが立てやすくなります。

さいたま市の相談先

さいたま市にお住まいの場合、発達障害に関する相談はさいたま市発達障害者支援センターで受け付けています。臨床心理士や社会福祉士などの専門職員が相談に応じ、継続的な個別相談は18歳以上の方を中心に、18歳未満の方には年齢や内容に応じた相談機関の情報提供を行っています。お子さんが18歳未満の場合は、まず次に紹介する各窓口に相談するとスムーズです。

このほか、さいたま市には就学や教育上の配慮に関する教育相談、子どもに関する相談窓口、働くことに悩む若者と家族を支える地域若者サポートステーション、障害のある方の就労を支えるさいたま市障害者就労支援センターなど、ライフステージや内容に応じた窓口が用意されています。電話やオンラインで問い合わせできる窓口もあります。なお、さいたま市以外の埼玉県内にお住まいの方は、埼玉県発達障害者支援センター「まほろば」などが相談先になります。

進路の前に「生活力」から整えるという選択肢

自立訓練(生活訓練)で生活リズム・対人スキル・自己理解を育てる

進学先や就職先を決めることばかりに目が向きがちですが、その前に「毎日を安定して過ごす生活力」を整えることが、結果的に進路の安定につながります。生活リズムが乱れていたり、人との関わりに強い不安があったりすると、せっかく進学・就職しても、新しい環境でつまずきやすくなってしまうためです。

その土台づくりに活用できるのが、自立訓練(生活訓練)です。先述のとおり、障害支援区分の認定は原則不要で、原則2年(長期入院していた方などは3年)利用でき、生活リズムの安定、対人スキル、自己理解などを段階的に育てていきます。サービスの内容や対象については自立訓練(生活訓練)とはで詳しくまとめています。「進路を決める前に、まず本人の土台を整える」という選び方があることを、ぜひ知っておいてください。

メルディアライフネスト浦和でできること(2年で就職・進学に向かう生活力)

さいたま市浦和区にあるメルディアライフネスト浦和(北浦和駅から徒歩4分)は、自立訓練(生活訓練)を行う事業所です。2年間の利用期間のなかで、就職や進学に向かうための生活力を身につけることを基本の方針としています。基礎となる体力や生活リズムをしっかり整えたうえで、本人が望む未来に向けたサポートを行います。

支援の中心となるのが、独自の生活能力評価「EQS」と、マンツーマンのオーダーメイドプログラム「S.I.P」です。EQSは「心のしなやかさ」「コミュニケーション能力」「困難に立ち向かう力」の3つの軸で状態を捉え、その結果をもとに、ライフプログラム、ライフシミュレーショントレーニング、SST、集団認知行動療法、コネクトプログラム、グループワーク、クリエイティブタイム、フィジカルプログラム、ITスキル、CSPという10のプログラムから必要なものを組み合わせます。S.I.Pでは、自己理解を深めながら、豊かな社会生活に向けて症状への対処法を身につけていきます。さらに、4つの段階で着実に進路へ歩みを進める「リービングネストプログラム」も用意されています。

スタッフには、看護師・臨床心理士・精神保健福祉士・社会福祉士といった専門資格を持つ職員が在籍し、健康面・心理面・福祉面から多角的に支えます。個別支援計画はおおむね3か月ごとに見直し、本人の変化に合わせて柔軟に修正していきます。

メルディアライフネスト浦和の大きな特徴は、自立訓練単独で就職活動のサポートまで一貫して行える点です。進路相談、見学・実習、応募書類の添削、面接サポート、職場との合理的配慮の調整、就職後の定着支援まで対応し、進路先も一般就労や障がい者就労、就労継続支援、復職、進学など幅広く支えます。進路フローとしては「自立訓練から一般就労・進学へ」を基本としつつ、就職までにもっとトレーニングを積みたいという方には、グループ内の就労移行支援メルディアトータルサポートへ次のステップとしてスムーズに引き継ぐこともできます。発達障害のあるお子さんの生活訓練についてはASDのある方の生活訓練もご参照ください。

進路相談でよくある質問

Q. 障害者手帳がないと、福祉サービスや支援は受けられないのでしょうか。

A. サービスによって条件は異なりますが、自立訓練(生活訓練)のように、障害者手帳の有無が利用の絶対条件ではないものもあります。利用には市区町村が交付する受給者証が必要になります。まずはお住まいの障害福祉窓口や相談支援事業所に相談してみましょう。

Q. 進路は親が決めてもよいのでしょうか。

A. 進路を歩んでいくのは本人ですので、本人の興味や希望を尊重しながら一緒に考えることが大切です。保護者は情報を集めたり、相談先につないだりして本人を支える役割を担うと、納得感のある選択につながりやすくなります。

Q. どこに相談すればよいか分からないときは、まずどうすればよいですか。

A. まずは在籍している学校の担任や特別支援教育コーディネーター、お住まいの自治体の窓口に相談するのがおすすめです。さいたま市にお住まいの場合は、発達障害者支援センターなどの専門機関も利用できます。一つの窓口から、必要に応じて適切な相談先を案内してもらえます。

まとめ

障害や発達障害のあるお子さんの進路には、進学・就職・福祉サービスの利用など、発達段階ごとにさまざまな選択肢があります。一つの道に絞り込む必要はなく、本人の特性や希望、そのときの状態に合わせて選んでいくことができます。

そして、保護者と本人だけで抱え込む必要はありません。在籍校、発達障害者支援センター、障害者就業・生活支援センター、相談支援事業所、自治体の窓口など、相談できる場所はいくつもあります。進路を決める前に「生活力から整える」という選択肢も含めて、早めに情報を集め、専門機関と連携しながら準備を進めていきましょう。お子さんの将来や、保護者自身が支えられなくなったときの備えについて考えたい場合は、親なき後の備えもあわせてご覧ください。

メルディアライフネスト浦和では見学・無料相談を受付中です。お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ:https://mlda.jp/mlninquiry/

この記事はメルディアライフネスト浦和のスタッフが監修しています。

出典一覧

※1 文部科学省「特別支援教育の現状」

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/002.htm

※2 厚生労働省「自立訓練(機能訓練・生活訓練)に係る報酬・基準について」

https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000670106.pdf

※3 厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」

https://www.mhlw.go.jp/content/001064502.pdf

※4 国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター「発達障害者支援センターの事業内容」

https://www.rehab.go.jp/ddis/action/work/

※5 厚生労働省「障害者就業・生活支援センターについて」

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18012.html

※6 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)「職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援」

https://www.jeed.go.jp/disability/person/job01.html

※7 さいたま市「発達障害者支援センターのご案内」

https://www.city.saitama.lg.jp/002/003/004/003/001/p009014.html

※8 さいたま市「市には様々な分野の相談窓口があります」

https://www.city.saitama.lg.jp/002/001/016/001/p033924.html

※9 埼玉県「発達障害に関する相談」

https://www.pref.saitama.lg.jp/b0614/soudan.html

※10 厚生労働省「介護給付費等に係る支給決定事務等について(事務処理要領)」

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/sougoushien/dl/jimu_h26-03.pdf

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