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家庭でできるABC分析~発達障害・自閉症


2025年05月28日

こんにちは。カウンセラーの小川です。

暑いのか寒いのかわからない季節になってきました。日中暑く、夜寒い。今週寒く、来週暑い。そんな感じですね。自律神経が乱れやすいので、よく眠る、予定を詰めすぎない、などの対応で体調を整えたいですね。

ABC分析ってなんだろう

さて、今回は家庭でできるABC分析について書いてみようと思いますが、ABC分析は療育支援に多く使われるABA(応用行動分析学)の中のひとつの手法です。

ABA(応用行動分析学)では対象者の問題行動が起きる原因を、「周囲の環境」、「トリガー(引き金、きっかけ)」、「結果」を見ながら考え、代わりとなる「行動」、「環境」、「関わり方」を変化させることで、問題行動を改善していく心理技法です。

このやり方は、主に発達障害(ADHD、ASD)や自閉症の児童を対象に活用されることが多いですが、成人対象でも幅広く活用できます。

主に、どういった方のための支援に活用するかと言いますと、こちらです。

  1. 望ましい行動ができない・少ない人(ポジティブ行動が少ない)
  2. 望ましくない行動が起る・多い人(ネガティブ行動が多い)

いかがでしょうか。家族や身近な方で、こういったことに悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

上記2点にあてはまる方の身近な人に沸き起こりがちな気持ちとして、「成長してほしい、変わってほしい」があります。

ただ、がんばっても変われない、けど周囲が困ったり怒ったり悩んだりしていて辛い、という当事者側の視点もあります。

ABAでは、単にがんばれ!と言うのではなく、望ましくない行動が起ったということは、何か環境に問題があるんじゃない?とか、そのあとの周囲の関わり方を変えたらいいんじゃない?という考え方なので、「がんばっても変われないしどうしたらいいのかわからないんだよ~」という当事者の方にとっても、ホッとするアプローチになりえると思っています。

レッツABC分析!

では、実際にどうすればよいのでしょう。

「分析」とついているくらいなので、データを集めていく必要がありますが、むずかしく考えないで大丈夫です。ただ、根気は必要だと思います、すぐに変化が現れる訳ではありません。

用意するのはノート1冊です。簡易的にはスマホのメモ機能でもOKです。

まず、A、B、Cそれぞれが何を表すかが以下です。

A 行動が起こった状況・場面・環境

B 望ましくない行動

C 行動の後の結果

つまり、日常で起こる困った出来事が「B」です。

そのちょっと困った行動をB(真ん中の欄)にメモし、その前後の状況や対応、出来事、環境を思い出して記載します。

まずはここまでです。これを書き溜めることが、分析の第一歩です。

書き出すだけでも効果はあります。行動の前後を思い出し、考えることが習慣化することで、発見があるはずです。

ABCを書いたらどうするの?

いくつかの行動をABC分析で書き出したら、まずじっと眺めます。

なかなか発語が少なく、どうして急にこんな行動するのだろう、という場合でも、振り返ってみると「A」や「C」に共通点が見えてきたりすることがあります。

周囲の方ができることは、「A」状況・場面・環境と「C」結果を工夫して変えることなのです。

メルディアウェルネスのカウンセリングを利用中のみなさまについては、ABC分析をやってみたいと言っていただければ、ご説明してから取り組んでいただきます。カウンセリング時に書き記したノートを持って来ていただき、一緒に共通点や対処法を見つけていきます。

【出来事例】

A)周囲に人が多くうるさい環境

B)癇癪を起す

C)お菓子をあげると落ち着く

★癇癪を起すとお菓子がもらえるという因果関係ができやすい状況になってしまっています。

【対処例】

A+)うるさい環境を避ける

B+)癇癪がなかった

C+)落ち着いていることを褒める

★落ち着いている(癇癪が起きない)と褒められるという状況をつくれています。

こんなにうまく行くかなぁという感じですが、繰り返し行っていくことが大事です。すぐには効果は現れないことが多いので、根気強くです。

ただ、困り感が強い行動の場合、対策をお一人で考えるのはかなり難しいことだと思いますので、やはり支援者であったり、相談できるところがあることが望ましいですね。

大変な想いをしているご家族へ

メルディアウェルネスには、発達障害の家族への対応で悩まれていたり、行動障害のある家族を抱えている方もお見えになります。

対応方法を一緒に考えたり、なかなか外で話せないことを話す場にしていたり、家族のことではなくご自身のことを話したり、むしろ楽しい話をしてリフレッシュしたい方など、いろんな方がいらっしゃいます。

様々な社会資源を活用しつつ、ご自身の人生も大事にしていけるよう、メルディアウェルネスは障がいのある方の家族に向けたスペシャルプランの提供もしておりますので、お越しになれる方はぜひ一度足をお運びください(予約制です)。

よい一日をお過ごしください。

 

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東京都新宿区大久保2丁目5-22
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TEL 03-6302-1871
E-MAIL Well@mlda.jp
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